生まれ変わってもキミが好き【完結】
「清春、どうしたの? っていうか、あたしのあと、つけてきたの?
芽衣子に会ってみたいなら、そう言ってくれれば……」
「さっきのアレ、なに?」
「へ? さっきの、アレ?」
「日下先生と恋人を、別れさせるとかいう話だよ」
さっきの、芽衣子の話しのことだ。
聞かれてたんだ、ずっと。
こっそりついてきて、会話まで聞いていたなんて。
「盗み聞きなんて、趣味が悪いんじゃないの?」
「どっちがだよ。恋人同士を別れさせる話で盛り上がってる方が、ずっと趣味が悪い」
「あ、あれは……!」
盛り上がってたのは芽衣子で、あたしは何も言ってない。
そう言いわけしそうになって、ぐっと我慢した。
あたしが2人の関係なんて、壊れればいいって、少しでも思ったことは本当だから。
「凛は変わった。バカだったけど、そんなこと考えるような奴じゃなかったのに」
「……変わってなんて、ないよ。これがあたしなんだよ。
いままで誰かを好きになったことがなかったから、清春も知らなかっただけだもん」
「そんなことない。俺が知ってる凛は、もっとバカ正直で、考えなしで、純粋だった」
「バカバカ、言わないでよ……」
呟いてうつむくと、むぎゅっと頬を大きな両手にはさまれて、無理やり上を向かされた。
眉を寄せた清春が、あたしをじっと、見下ろしてくる。