生まれ変わってもキミが好き【完結】


「皐月さんは、後悔してるって言ってたよ。でも、皐月さんも日下先生も、生きてる。同じ指輪をしてるでしょ。
だからまだ、大丈夫だよね」




隠すようにしていた自分の左手に、そっと触れる日下先生。



バカだなあ、先生も。


あたしもバカだけど、ようやく気付いたんだよ。

あたしに前世の記憶が蘇った理由。



ずっとずっと不思議だった。

前世の記憶が蘇るなんて、不思議なことがどうしてあたしの身に起こったのか。



はじめは優しい神様が、あたしの為に公開を消し去るチャンスをくれたんだと思ってたけど。

そうじゃなかった。



神さまは、あたしの為に、

あたしの未練を晴らす為に、前世の記憶を与えたんじゃない。







神さまはたぶん、

あたしの死に囚われたまま、前に進めなくなったるいちの為に、


こんな奇跡を起こしたんだ。








「早く行って、皐月さんを助けてあげてよ」




きっと、これが正解。



そうでしょ? 神さま……。


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