生まれ変わってもキミが好き【完結】
「凛」
突然、背中にかけられた声。
静かで、耳に馴染む優しい声。
15年間、隣りで聞き続けてきた声。
ああ、バカだなあ、あたし。
1人だなんて、思うなんてさ。
あたしはいつだって、1人なんかじゃなかったんだ。
「意地っ張りだな、相変わらず」
なんだか、全部見てたような口ぶり。
見てたんだろうな。
ずっとあたしが戻るのを、待ってたんだ。
「しょうがないじゃん。気づいたんだよ。終わった人生の続きを歩くことは、できないって……」
ごしごしと、涙をぬぐう。
でもぬぐってもぬぐっても、涙はあとからわきだして、頬を濡らしていく。
きりがないや。