生まれ変わってもキミが好き【完結】

あたしはそう怒ったけど、清春はさらっととんでもないことを言った。




「本当のこと言ってるだけ。俺は凛至上主義なんだよ」


「な……っ」




そんな主義、持たれても困る。


困る、けど。



こんな風に、バカみたいにあたしに対して真っ直ぐな清春を、かっこいいと思う。


前世でも、いまでも、あたしがなかなかできない『素直になる』ということを、

清春はいつだって簡単にやってみせる。



良いお手本が、こんなに身近にいたのに、あたしは何をやってたんだろうね。




「……言っておくけど、ニートとか引きこもりとはあたし、絶対嫌だからね」


「わかってるよ。凛は俺に何になってほしい? 凛が望むなら、総理大臣にだってなるよ」




なんでもないことのように、大きなことを平然と言う幼なじみ。


清春なら、本当に叶えちゃいそうだから怖い。

あたし至上主義、なんて言うくらいだもんね。





でも悪いけど、あたしが望んでるのはそんなものじゃない。


もっともっと、実現させるのが難しいことなんだよ。


< 367 / 372 >

この作品をシェア

pagetop