生まれ変わってもキミが好き【完結】
あたしはそう怒ったけど、清春はさらっととんでもないことを言った。
「本当のこと言ってるだけ。俺は凛至上主義なんだよ」
「な……っ」
そんな主義、持たれても困る。
困る、けど。
こんな風に、バカみたいにあたしに対して真っ直ぐな清春を、かっこいいと思う。
前世でも、いまでも、あたしがなかなかできない『素直になる』ということを、
清春はいつだって簡単にやってみせる。
良いお手本が、こんなに身近にいたのに、あたしは何をやってたんだろうね。
「……言っておくけど、ニートとか引きこもりとはあたし、絶対嫌だからね」
「わかってるよ。凛は俺に何になってほしい? 凛が望むなら、総理大臣にだってなるよ」
なんでもないことのように、大きなことを平然と言う幼なじみ。
清春なら、本当に叶えちゃいそうだから怖い。
あたし至上主義、なんて言うくらいだもんね。
でも悪いけど、あたしが望んでるのはそんなものじゃない。
もっともっと、実現させるのが難しいことなんだよ。