生まれ変わってもキミが好き【完結】
昨日うちに遊びに来た時は、確かに黒髪だった清春の髪が、
朝会ったら銀になっていた。
朝日でキラキラ光ってすごく綺麗……じゃなくて!
「聞いてんの? 清春っ」
「ん~……眠い」
「答えになってなーい!」
「あー……髪? だって昨日、凛が言ってたじゃん」
言ってた? あたしが何を?
わけがわからなくて首を傾げると、清春も同じように首を傾げた。
「なんだったっけ……。凛が好きなバンドのベースがかっこいいって」
「ああ、ハルカさまね! 昨日のNステも超かっこよかったよねぇ。
美しすぎて、もうあれは人間じゃないと思うっ」
いま人気絶頂のロックバンドのベースに、あたしは夢中になってる。
銀髪にブルーグレイの瞳を持った、王子様……。
ううん、妖精かなにかじゃないかってくらい、人間離れした美貌の男の人なんだ。
ファンクラブにも入ってるんだよね~。
なぜかそのバンドの話しをすると、清春が不機嫌になるんだけどね。
ライブに誘っても、すごく嫌そうな顔するし。
そのくせついてくるんだけどさ。
あんなに良いバンドなのに、なにが気に入らないんだか。