生まれ変わってもキミが好き【完結】
「俺の方が似合うでしょ」
「は? なにが?」
「だから、銀髪。俺の方がかっこいいでしょ」
「……まさか、それが言いたいだけで、髪染めたの?」
「うん」
バカだ!
わかってたけど、とんでもないバカだ!
プロのミュージシャンと、そんなことで張り合ってどうするの。
あきれて言葉がみつかんないよ。
「はあ。そうだね、清春の方が似合ってるね」
「心がこもってない……」
「もー。ほら、しゃんとして! はやく歩く!」
「え~。そんなに早く学校行きたいなら、凛だけ先に行けばいいのに」
「そんなことしたら、あんたUターンして家帰って寝なおすじゃん!」
「しないしない。絶対しないから」
全然説得力がないよ!
あたしは仕方なく、清春の背中をぐいぐい押して歩く。
清春のペースに付き合ってたら、あたしまで遅刻しちゃうよ。
あたし頭は悪いけど、遅刻欠席は小学生の時からしたことないんだから。
人に誇れることがそれだけなんて悲しい、とか思ってないんだから。