生まれ変わってもキミが好き【完結】
でもなぜか、女子は清春のこういう、やる気のない感じが良いって言うんだよねえ。
摩訶不思議。
理解不能だよ、まったく。
「なんでいきなり、将来の夢?」
「現実見るのって、大事だよなーと思って」
「凛……寝ぼけてる?」
「それ清春に言われたらお終いだ!」
「ひどいな。凛の夢は、教師だっけ」
じーっと、清春の半開きの目があたしを見てくる。
くそう、言いたいことは無言でも伝わってくるぞ。
あたしみたいな勉強のできないおバカの夢が教師なんてって、思ってるんでしょ。
おまえこそ現実見ろって思ってるんでしょ。
泣きたいくらい見えてるっての!
「現実は厳しい。でもあたしは負けない。妥当数学!」
「大きな敵だなー」
「うるさーい! それより早く歩く!」
急かしても清春が早く歩いてくれなくて、学校に着いたのは遅刻ギリギリの時間。
もう外には生徒の姿が見えない。
これは本当にまずいって!