生まれ変わってもキミが好き【完結】
細身で、背の高い、日に焼けたような茶色の髪の、
教師とは思えないくらい整った顔の人。
「かっこいー……」
そう呟いたのは、ユキちゃんかアリサか、ちがう周りの女子か。
あたしはなぜか、マイクの前に立つその人から、目が離せない。
なんだろう、胸がざわざわする。
呼吸が、うまくできない。
あたし……知ってる?
あの人と、どこかで会ったことが、ある?
左目の下の、泣きぼくろが印象的な、あの人と……。
彼は、ステージからあたしたち生徒を見下ろしながら、うっすら口元に笑みを浮かべた。
『はじめまして』
低くて、滑らかな響きの声。
ドクドクと、心臓が激しく動き出す。
『2年B組みの副担任、そして数学を担当します…
日下琉一です』