生まれ変わってもキミが好き【完結】
あたしだよ。
リンだよ。
わかるよね?
頭の中で、叫ぶ声がする。
あたしじゃない、あたしの声。
これ以上口を開いたら、本当に声に出してしまいそうで。
あたしはぐっと歯をくいしばるようにして、彼を見上げた。
「……そうか。俺は日下琉一だ。
始業式のこと、覚えてるかな? 君のクラスの、副担任になった。よろしく」
他人のように自己紹介をする彼に、
あたしの中の『柏木リン』が、傷つくのを感じた。
くさか、りゅういち。
やっぱり、そうなんだ。
本当に、そうなんだ。
14年前の、あたしの幼なじみ。
そして、好きだと伝えられなかった相手が、目の前にいる。
教師として。
なんだ、それ。
わからないや。
嬉しいんだか、悲しいんだか、わからない。
どこからどこまでがあたしの気持ちなんだか、わからない。