生まれ変わってもキミが好き【完結】
あーどうしよう。
ただでさえ悪い頭が、全然働かない。
頭痛はどんどんひどくなるし、考えるのも億劫で。
なんかどうでも良くなってきた。
もう多少怪しまれても、なんとでもなる!
「あの!」
「なんだよ」
「る……
『るいち』とか、あだ名で呼ばれてませんでしたか!?」
『るいち』
その名前を口にした途端、
ぎゅうと胸をしぼられるような痛みで、涙が出そうになった。
『柏木リン』の最後の記憶が、想いが、全身を飲みこんだ。
身が裂けるほどの、激しい後悔。
素直になればよかった
好きって言えばよかった
ごめんねるいち
好きだよるいち
るいち
るいち
るいち
るいち
るいち
まるでその『柏木リン』の叫びが聞こえたかのように
彼の足が、ピタリと止まる。
「……え?」
「凛!」