生まれ変わってもキミが好き【完結】
日下先生が目を見開いてこっちを向いた時。
突然、静かな廊下に聞き慣れた声が響いた。
清春が、廊下の向こうから走ってくるのが見える。
珍しいじゃん。
大声出すのも、走るのも。
無気力男のくせにさ。
あたしの幼なじみは
寝ぼすけで、いつもダラダラとやる気がなさそうで、運動嫌いで、
そのくせ運動神経が良くて、サッカーも上手くて、2年生でサッカー部のエースで……
あれ、これ誰のことだっけ?
あたしの幼なじみって……。
「大丈夫か、凛?」
清春が、心配そうな顔でのぞきこんできた。
ああ、そうだ、清春だ。
あたしの幼なじみは、矢代清春。
「小鳥遊の彼氏か?」
「俺は凛の幼なじみです。同じクラスの」
「幼なじみ……。いまHR中じゃないのか?」
「便所って言って出てきました。凛が心配だったんで」
悪びれずに言う清春に、笑っちゃった。
あたしの幼なじみは昔から、先生への態度がふてぶてしいんだよね。