生まれ変わってもキミが好き【完結】
「……どうして、あたしを教科係にしたの? 本当にしごきたいから?」
まさかここで、好きですなんて言えないから。
なんとなく気になってたことを聞いてみた。
日下先生は、いたずらっぽく笑う。
「ああ、あれは冗談だ。まあ、いわゆるひいきってやつだな」
「ひ、ひいき?」
「始業式の時、熱があるのに俺が気付けなかったから、おまえは2回も倒れることになっただろ? 悪かったな。
プリント回収頼んだのも、これが言いたかったからだ」
なにそれ。
なにその優しい先生全開のセリフ。
やめてよ、調子狂っちゃうよ。
「そんなの……先生は、全然悪くないじゃん」
「気にすんな。授業遅れた分も、わからないところは教えるから、なんでも聞いてくれ。遠慮すんなよ」
優しげな、気遣うような笑顔を向けられて、切なくなる。
教師って感じの、大きな年の差を感じる表情だったから。
『るいち』は、あたしにそんな風に他人行儀には笑わなかった。
そんな胸の痛みはこらえて、あたしは曖昧に笑った。