生まれ変わってもキミが好き【完結】
どきっとした。
清春は、いつもこう。
ぼへーっとしてるくせに、あたしのことを、よく見てる。
「変て、どういう意味さ? 別に、普通でしょ。
ちょっと話して、いい先生だなーと思っただけだよ」
「……ふーん? いい先生ね」
なんか、納得がいってない感じ。
疑わしげに見られて、あたしはわざと怒った顔をした。
「なにさ。清春はなにが言いたいわけ?」
「まさか凛。あいつに惚れてないよね?」
「……はっ!?」
ずばり核心をつかれて、焦った。
だって、どうしてそう思ったんだろう?
そんなにあたし、態度に出てた?
自分の気持ちをはっきり自覚したのは、ついさっきだっていうのに。
鋭いにもほどがあるでしょ。
「な、なに言ってんの? 相手は教師だよ。 オジサンじゃん!」
なんとか誤魔化そうと、思ってもないことを口走る。
オジサンなんて、全然思ってない。
年の差は痛いほど感じるけど、『るいち』は素敵な大人の男になったって、思ってる。
あんなにかっこよくなるなんて、昔は、前世では想像できなかったよ。