生まれ変わってもキミが好き【完結】
「ちょっと、聞いたぁ?」
「日下先生、恋人いるんだって~。超ショック!」
ユキちゃんとアリサの方から、こっちに来た。
でもあたしは会話に入っていけない。
おしゃべりできる、余裕がない。
「ショックって、ユキは清春くんでしょ」
「それとは別で! ってゆーか、アリサだって深田くんだったじゃ~ん」
「あたしも別で! まあ恋人、いるだろうなとは思ってたけどねぇ」
「だよね~。それは誰もが思ってただろうけどね~」
「思ってても夢見たいんだよねぇ」
「そうそ~う!」
そんな2人の会話が、ぐるぐると頭の中で繰りかえされる。
あたしはぎゅっと、机の上で両手を握りしめた。
その手は微かに震えていて。
おしてあたしには、その震えをおさめる方法がわからない。
足元に、真っ黒な穴が広がっている気がして。
しばらく、動くことができなかった。