哀。愛
仲田くんと話しているうちに、達也への恐怖心は消えていった。

仲田くんの言葉は私の心を落ち着かせてくれた。



「そういえばさ、柏木ってけっこう本読んでるよな。」


実は私意外と愛読家。自分で言うもなんだけど。


小さい時からお母さんに絵本を読んでもらっていたせいか、昔から本が好きだった。

懐かしいなぁ。

「柏木?おーい!戻ってきてくれ!!」

「えっ!ごめん!!つい昔の事思い出しちゃったもんでして。」

「そういうとこ、よくあるよな。ま、柏木らしいけど。」


そんなにボーっとしてる気はないんだけどな。


「柏木はいつもどんな本読んでんの?」

「んー。今ハマってるのは、推理小説とか、ミステリーとか?」

「ふーん。なんか意外だな。女子って、ケータイ小説!とか言いそうなのに。」

「いやいや、私も女子ですからね。ケータイ小説の1冊2冊読みますよ。」

「やっぱそうだよな。」

「仲田くんは?」



そういえば仲田くんが本読んでるところ、あんまり見たことないかも。

どんな本読むんだろうな。


「俺も、推理小説とか読むよ。前は、緒方さんって人が書いた『ロマンス殺人事件』読んでた。」


「私もそれ読んだことある!!愛と友情が生んだ悲劇のサスペンス!!すっごく面白かったよね!!」


「最後の結末とか意外だったよな!!」


仲田くんと同じ本読んでたなんて思わなかった!今さらだけど、本好きでよかった!!

仲田くんとは、凄く話が合うなぁ。
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