愛羅武勇。
「これで完璧や。。。」

イサムはBVLGARIの香水を握りしめて,満足げに笑った。


「すまんなあギャル男くん!」

香水の持ち主の肩を叩いてマサキの前に立った。

「どないや!男前なったやろ?」

イサムがスカジャンのチャックをしめなおす。


「。。。くっさ!お前香水つけすぎやねん!!」

マサキは鼻をつまんでイサムから離れようとした。



--ガラッッ--

「おはよ-早く席について-」

担任のマイコの明るい声が響いた。

「今日から4組の担任の桜井です☆」

マイコとマサキの目が合う。
マサキは軽く微笑んだ。

「今年は受験あるから忙しくなるで!手え抜かへんからみんなでがんばろな!」


マイコは教卓の出席慕を開いた。

「ちょお-!マイコちゃん!」

「兵藤くんどないしたん?」

イサムが立ち上がり ,マイコの前まで歩いて行った。

「大阪ギャルどこよ!?今日転校生くんねやろ?」

マイコの動きが止まった。

「そや!忘れとった!」

マイコは教室のドアまで急いで向かった。

「頼むでマイコちゃん!」

イサムはドアの方を向いて,襟足を整えて顔を作った。

マイコはドアを開けた。
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