愛羅武勇。
ドウンドウンドゥンドゥン
ドゥンドゥンドゥンドゥンドゥン
「ナイトオブファイヤーや」
「イサムめっさテンション高いやん」
遠くから聞こえる単車の音に,イサムの暴走族の仲間が反応した。
「遅いねん。。。」
マサキの足元には,ほぼ一箱ぶんの煙草の吸い殻が落ちている。
「マサキさん!俺の待ち受け見てくださいよお♪」
一人の少年が自分の携帯をマサキに見せた。
「。。。誰これ」
マサキは右目を細めて携帯を見た。
「梅田のカリスマキャバ嬢アイラっす♪」
周りの少年達がざわついた。
「お前まぢで!?」
「俺にも見せろ!」
「こんなのが好みなんか?」
マサキが信じられない,という顔をして周りを見た。
「めっちゃかわいいやないっすかあ〜」
他の少年達もうなづく。
「マサキさんはどんなんがタイプなんすか?」
マサキは煙草を捨てた。
「俺のタイプはマイ」
ドウンドウンドゥンドゥン
「イサムや!」
「遅いっすよ〜」
マサキの前にCB-Rが停まった。
「あれっマサキは!?マサキ!」
イサムは顔を赤らめて辺りを見回した。
「後ろっす」
「マサキ!聞いてえな!」
イサムはマサキの肩を掴んだ。
「離せ。お前なんか嫌いや」