恋しても、愛しても、夢は見ないから
朝のバスは相変わらず混んでいて、
学生や社会人やらがぎゅうぎゅうに
押し込まれて運ばれている。
バスと電車を乗り継ぎ会社に行き、
仕事が終わったら真っ直ぐ家に帰り
妻と子供の顔を見て眠りにつく。
365日、またこれの繰り返しが始まっていく。
バスが大きくカーブした。
ここを曲がると彼女がバスに乗ってくる。
いつもの時間、いつもの停留所。
いつものように目を合わすことなく、
いつものようにただ何もなく駅につく。
ただ以前の生活に戻っただけだ。