恋しても、愛しても、夢は見ないから
…降ってきたか。
夕方頃から雲行きが怪しくなって、
とうとう空から雨粒が降ってきたのは
商談を終えてちょうど駅に着いた頃だった。
バス停に向かって歩く途中で
男子高校生の集団が通りすぎて言った。
その中に一際目立つ
モデルみたいな男の子がいた。
……どこかで……。
思い出せずに考えていると、
その男の子は集団から外れると
少し小走りに前方にあるマックの方へ向かっていった。