恋しても、愛しても、夢は見ないから
『ユキ今日はパスだってよ!
なんか急用か?
お!ユキが走るなんて珍しいじゃん』
その男子高校生の中の一人が
そう言ったのが聞こえた。
バス停の列に並ぶと
男子高校生たちは更に遠ざかって行く。
『あれ、高杉唯じゃね?』
…!?
『マジで?!俺、見たことねぇ!
どこどこ?!』
まるで芸能人でも見つけたかのように
彼らは騒ぎ出した。
『…ホラ、あのマックのとこ!』
『…あ!アレか!
すげぇ可愛いじゃん!』
『アイツら付き合ってんの?!』
『そうなんじゃん?
さすがのユキも高杉唯にはやられたか〜』