恋しても、愛しても、夢は見ないから

すっかり暗くなった公園は
数メートル間隔に置かれたベンチの
近くにある街灯だけがうすぼんやりと
歩ける程度に道を照らしていた。


マンションも近くてある程度の人目がある
静かで落ち着いたこの場所は、

恋人達が会うのには適してるみたいで
夜になるとベンチにはちらほらと
恋人達の姿があるコトが多かった。


私はその近くの噴水の縁に腰掛けた。



この場所が好きだった。


静かで、落ち着いていて

誰にも邪魔されることがない。




そして…


生まれてはじめて


”大切だ”と宝物のように
抱きしめられた場所だった。





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