恋しても、愛しても、夢は見ないから
周りを全く視界に入れていないような視線でバスに乗り込んだ彼女。
独特なオーラというか…
いつもどこか少し…
少しだけ張りつめた感情を
繭に包んで隠してるような
そんな感じがしていた。
いつも通勤に使うバスは
毎日のように同じ時間に同じ様な顔触れを乗せて駅へ向かう。
だから、誰がどのバス停で乗って、降りるかが無意識の間隔で覚えている。
隣にいた男子高校生たちは
彼女の降りる駅で降りていった。
それは、いつも降りている
バス停ではなかった。
……おいおい、
学校はどーした…。。。
少しだけ呆れながら、
なんだか学生の頃の懐かしさも思い出し、バスは駅に到着した。