恋しても、愛しても、夢は見ないから

聖から見放されたと思うと
呼吸すらうまくできなくなる。


…聖はあの女の人がいるから寂しくないの?


…私はもうイラナイノ?


急に世界で一人ぼっちにされた気分だった。



『……もう泣かないの。』



聖が優しく私を撫でる。

聖の目を見上げるように見つめる。

いつもなら優しく口づけて
優しく身体を撫でてくれる。


…なのに、


その腕は私を包むことはしなかった。



体温が下がるような心地がした。



『……聖、
…………お願い……許して』






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