恋しても、愛しても、夢は見ないから
『…聖?』
聖の顔が少し辛そうにみえた気がした。
身体が気だるくて
思うように動かないから
ただじっと聖の目を見つめる。
『…何か飲む?
昨日から何も口にしてないんだから…』
……私、あのまま気絶したんだ。
…今は何時だろう。
窓の方に目を向けると
カーテンの隙間から射し込む光が
今が朝だということを教えてくれる。
身体がだるくて、
今は何かを考えることを
全身が拒否してる。
『…ココア、…飲みたい』
『…了解』
聖はやっとほっとしたように笑い、
私の頭を軽く撫でるとリビングの方に行ってしまった。
私はその後ろ姿をただ見つめながら
同じところから戻ってくる聖を待っていた。