First☆love
そして今日も私は雅章先輩に送ってもらう。


「なぁ…。」


「なんですか?」


長い沈黙を破ったのは雅章先輩だった。



「俺昨日悪かった…。」


「?」


私はとぼけた振りをした。

きっと昨日のメールのことだろう。


けれど私は、単純みたいだった。


困って、悲しそうな雅章先輩の瞳を見ると許さなければならないようなそんな気がした。


「いいですよ。先輩も毎日部活疲れてるんですから。」


「…まじごめん…。」


しょげている先輩の背中をバシッと叩いた。


「いっ~てっ~!!」


「これで許します!笑」

「…あ…ありがとう。」


仲直りできた…。


でも、友達とメール来なくてこんな気持ちになるなんて…初めて。


先輩は特別なんだ…。


「なぁ…。今週の土曜日…暇?」

「ど…土曜日ですか?」


ん~…確か撮影が…。


「ちょっとその日は…用事が…。」


「そっか…。」

少し早歩きになる先輩…。

その背中は大きいのに寂しそうなそうな背中だった。


「あっ…あの!もし秘密にしてもらえるなら、その用事に一緒に行きませんか!?」


「はっ?ってどんな用事な訳?お見合い?とか?笑」


「いえ…わ…私…実は…モデルの撮影が…。」


「まじで!?そんなのやってたの!?」

コクン


私はただ頷き先輩の返事を待った。
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