君の瞳に魅せられて ***春日の恋***
俺と、郁人と菜々美。

3人で行動することが多かった。

郁人がいない時でも、俺は菜々美を誘って、

飲みに行ったり、コンパに出たりした。


俺たちの関係は、割とすっきりしたものだった。

俺が菜々美のことを好きなのは、本人は気がつかなくても、

周りは皆気が付いていて、

いつ俺が略奪愛をするか懸けていた奴らもいたらしい。

いっそのこと、そうしたいよ。

菜々美と郁人は誰にも立ち入れない空気感を持っていた。

ただ、あいつらには乗り越えられない何かが間に合って、

甘い恋人というだけでない独特の緊張感と不安感を併せ持っていた。

逆に、手放しに俺に向けられる菜々美の笑顔見ていると

菜々美にとって、郁人の取れない『心許せる』という重要なポジションにあると

いう自信が、

いつかそんな日が来るんじゃないかと錯覚する。

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