君の瞳に魅せられて ***春日の恋***
「私は愛人の子なの。」

万里は笑いながらいう。

菜々美を初めて紹介に連れて行った時、

万里が突然言い出した。

母親の琴美さんは、顔色一つ変えずに笑った。

「大人の事情なのよ。」

そういってクスッと笑った。

「訳ありだけど来てくれるとありがたいわ、

 家に一人置いていくのは心配だったから、

 来られる日に来てくれたらいいし。

 時給5000円でどうかしら。」

琴美さんはナ-スらしい、決して高給では無いはずなのに

何時間でも好きなだけ来ていいという。

万里に関しては遠慮なくいくらでも使えるからと笑った。

結局、菜々美と俺二人とも家庭教師ということになった。

菜々美の来られない日に俺が行く、

万里は、

「急に兄弟ができたみたいで嬉しい。」

といって笑った。

なんて寂しそうに笑う子なんだろう。








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