君の瞳に魅せられて ***春日の恋***

恋する気持ち

バンビは、万里の部屋に滞在しているらしい。

バンビは、俺が勝手につけた呼び名だ。

菜々美に会った頃この部屋に越してきた。

管理人から、前の部屋の主が野良猫に餌をやってしまって、

いついた猫がいる話は聞いていて、その分部屋代が安かった。

普段姿を見せないが、

時々やってきて餌をねだる。

片思いに身を焦がす俺の癒しになっていた。

心の中で菜々美につけた、あだ名のバンビと名付けた。

バンビは気分やで、勝手で、そんなところが気に入っていた。

「昔の菜々美は猫みたいなやつだった。」

と郁人が言っていた。

俺の知らない菜々美を、バンビに重ねる。


俺の恋煩いは相当重症だ。



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