君の瞳に魅せられて ***春日の恋***
「あたしが、学校行かない本当の理由。」


「好きな人がキスしてたからとか?」



「ん、ていうか、親友に男とられた。」



「お、男って、、おまえなあ。」



「どっちも大切だったよ、言ってほしかったよ。

 有も瑠璃もあたしの居場所だった。

 もう、学校にあたしの居場所無くなっちゃった。

 そんなにいいものなのかな、キスって。」


「何でそこなの?」


「有にどうしてって聞いたら、

 『瑠璃はキスさせてくれたから』って。」


まったく、最近のガキはませてんのかアホなんだか、、、


「なあ、万里。そんな奴辞めといて正解だよ。

 もっと大事にしていいもんじゃないかと俺は思うぞ。」


「ふ~ん。大人はそういうこと言うんだよね。

 先生も普通の大人なんだね。」


「なんて言ってほしいの万里は?」


「、、、、、好きだって言ってほしい。」


「気持ちがなくてもいいの?」


「うん。」


「そしたら、万里変われるの?」

「わからない。」


「ん、わかった。」





「万里、すきだよ。」


万里は俺をまっすぐ見て、

大きな黒い瞳を輝かせた。

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