君の瞳に魅せられて ***春日の恋***

時間

万里が旅立って1年がたった。


社会人になった俺と郁人、

それぞれの時間を持つようになり、

菜々美とも会う時間が減った。

彼女も作ったりもしてみた。


あんなに好きでたまらなかった菜々美より、

万里のことを考えてしまう時がある。

どうしているのか、ちゃんと家族と上手くやっているのか?

友達はできたのか?

本当にまた会えるのか?

菜々美はまだ万里と連絡取っているらしく

近況を伝えてくれる。

相変わらず菜々美が一番には違いないが、

ある程度の距離感がちょうどいい気がした。

郁人が、会社の出張でほとんどこっちに戻らないチャンスなのに

それ以上縮める気になれない



万里との別れた日以来、

俺の中に小さな変化が起きていた。

もしかしたら、俺は万里を待っているのだろうか。

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