君の瞳に魅せられて ***春日の恋***
「佐伯菜々美です。」

俺が茫然と見つめる先には、

さっきぶつかって鼻を赤くした、彼女がいた。

高めに結ばれたポニ-テ-ルは、

色白でメイクしてない彼女をよりかわいらしく見せていた。

「来週から復学するからよろしくな春日。」

「あ、綾波春日よろしくな、さっきはごめん大丈夫?」

「いえ、私がぼんやりしてて、大丈夫です。」

郁人の話によると、母親を亡くして心のバランスを崩したとかで

1年休学してたらしい。

彼女は、郁人のシャツの端を掴んで儚げに笑顔を作っている。

かわいい、かわいすぎるよ。

なんか草食動物思い出すなあ。

パンダ、いやいやでかすぎでしょ。

コアラじゃなくて、カンガル-?あれって凶暴なんだよね

馬っじゃなくて、あ、小鹿!!ディズニ-のバンビとかいう。

あの誕生シ-ンは感動したよな。

不覚にも俺は彼女、

佐伯菜々美に一目ぼれした。

よりによって親友の婚約者に。



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