君の瞳に魅せられて ***春日の恋***
重役会議に菜々美が呼ばれていった。

多分婚約の発表があるはずだ。

エレベ-タ-で菜々美が、悩んでいる事を口にした。

順調なんだろ、幸せじゃないのか?

こんな傍に居るのに、手が出せない事態がもどかしい。

昨日まであんなに万里の事を悩んでいたのに

もう、菜々美でいっぱいになっている俺は

やっぱり菜々美が好きなんだと自覚させられる。



「お話があります。」



会議から戻った菜々美は神妙な面持ちで俺の前に立つ。

多分婚約の報告だとは思ったが、

同じフロアの小会議室を借りで菜々美と二人になる。

移動前に郁人に連絡をしておくことにした。

俺が理性を持っていられるように。



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