君の瞳に魅せられて ***春日の恋***
「綾波先輩、結城先輩彼女のべったりですね~。寂しいでしょ。」

「何、優香ちゃん慰めてくれんの、今夜飲みに行く?」

「いいですよ~そのあとまで付き合いましょうか?」

「冗談だよ。」

「ひどいです。」

俺は、はっきり言ってモテる。

中学から女を切らしたことは無い。

告白したこともなければ、振られたこともない。

女は寄ってくる。俺がその気になればいい。

告白したと言えば、結城郁人にはしたかもしれない。

どうしても友達になりたかった。

そこに立つだけで視線が集まる。

知識も豊富で、決して出しゃばらないが、人望がある。

3年になって彼の存在に気がついたときに。

「親友になってくれ。」と、思わずプロポ-ズしたのだ。

「そのケはない。」と断られたが、

「俺だってそのケは無いが友達になりたい。」

と、食い下がり、郁人の行く先につきまとい、友人の座についたのだ。

郁人は、いつも男女問わずいろんなやつに囲まれていたが

あまり深い付き合いはしたがらなかった。

そんな奴が、ある日大好きな彼女と婚約した。

と報告してきた。

彼女のことで一喜一憂している郁人は普通の男で、

こんな奴を骨抜きにする女はどんな子なのだろうと

思っていたが。

一目見て納得してしまった。それどころか

彼女のことを思うだけで体中の細胞が震える。

きっと、これは、『はつこい』というやつだ。






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