君の瞳に魅せられて ***春日の恋***
万里in Tokyo**************

『おかえりなさい、新しい学校の編入試験合格の連絡来たんだってね。」


「ママ、あたしここから通っちゃだめかな。」


「ママははいいけどあっちの家の両親はどう言ってるの?」


「あ、ごめんやっぱりいいや。」


「万里、あんた無理してるんならママから言ってあげてもいいのよ。

 ただ、アメリカ行きを選んだ時にあなたはパパの家を選んだんだから、

 そこの義理は通さなくちゃよ。

 あと、励君も来たりするから覚悟はしておいてね。」


「ん、分かってるチョッと言ってみただけだよ。」


ママは、あいかわらず綾波先生の隣に住んでいる。

あたしがアメリカに行ってから恋人の励(つとむ)さんと半同棲中。

まあ、ママの人生だからあたしが口を出せるわけじゃない。

でも、先生との思い出が無くなってしまうみたいで寂しいと思ってしまう。

パパとパパの奥さんはあたしに気を使ってくれてまあ上手くやっている。

でも、嫌でも感じる、奥さんの子どもができなかった悲しみ。

他の女との間の子を引き取らなければならなかったパパの焦燥感。

二人の間の愛情を嫌って言うほど感じてしまうから、

身の置き場がないのだ。



わたしはここにいるべきなの?







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