君の瞳に魅せられて ***春日の恋***
「え-『?』て何だよ。おれ郁人の親友なんだけど。何度もあってるでしょ。」
「はあ、そうでした。すみません。」
なんていうか凄く警戒されちゃってる、傷つくなぁ。
「なんか疑ってるね、別にナンパとかじゃないよ。」
「はあ。」
気のない返事もツボに嵌ってしまう。ヤバい
「郁人から伝言、郁人ゼミの教授について急に宮崎行くことになった。
菜々美ちゃん、携帯切ってるでしょ心配してたよ。
じゃ伝えたからね。」
一気に伝えると、早々に引き揚げる事にしよう。
手を振ってその場を離れた。
心臓の音がバクバクいってる。
あわてて携帯を取り出す彼女。
「あっ」と後ろで小さな声が聞こえた。
「ありがとう!春日さんっ!」
彼女が俺の名前呼んだ
呼びとめられた訳じゃないって分かってたけど
思わず走り寄ってしまった。
「名前、知ってたの?」
この日から俺の耳から『春日さん』と呼んだ彼女の声が離れなくなった。
『好き』っていうのは名前一つでこんなに萌えるのか。