君の瞳に魅せられて ***春日の恋***
俺の腕を掴んで

目を潤ませる萌香

この目に何度揺れたか分からない

黒目がちの大きな目は

菜々美の目に重なる

このままこいつと一緒にいてもいいかな

なんて何回もだまされた

これがこいつの武器だ。

俺の中での汚点だ

全然違うんだ

菜々美はこんな目で俺を見たりしない。

当たり前だが

その目は郁人に向いていた。

だから、こいつに揺れたのに


「無理なんだよ萌香。分かってるだろ。

 あの時俺はお前を見ようとしてたんだよ

 でも、俺を信じられなかった。

 それじゃ耐えられなかったのは萌香。

 あの時、

 俺たちは寄り添えない事を

 分かったから別れたんじゃないか。」

「私達は変わったでしょ。

もう一度やり直すことだって、、」

「無理だ。

 もう無理なんだよ。

 分かって萌香。」






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