君の瞳に魅せられて ＊＊＊春日の恋＊＊＊

「諦めないから！！」

そう言い残して出て行った萌香。

あいつに寄り添えたら楽だったのに。

一度離れてしまったものは簡単に戻すなんて

できない。

あれが萌香の本心だとすれば

受け止めてやれなくてすまないと思う。

菜々美も俺に対してそんな気持ちなのだろうか

心は簡単にコントロ－ルさせてくれない


無理なものは無理。

そんな簡単な公式が

分からないなんて、

分かっても変えられないなんて、


感傷に浸りながら




それはそうと


郁人の件をどうしたものか

菜々美を泣かせずにすむ方法を模索し始めた。