大好き。ただそれだけ
「んで?切原はここに何しに来たの?」

「なんか不二先輩に用があるみたい
っスよ」

「不二に?」

俺が不二さんに用があることが
気に入らないのか一気に不機嫌顔

「対した用じゃないんで
あ、これ不二さんに渡しといて
ください。じゃ」

「え?お、おぅ…」

俺が不二さんの恋人なんじゃないのかよ
遊びだったのかよ!

その頃、不二は…

あれ?切原?

切原はまだ来ないのかと窓を見ると
英二と桃と話している切原を見つけた
僕の居場所を聞いてるのかと思って
しばらく窓から見ていた
でも、しばらく話すと桃に何かを渡し
切原は帰ってしまった

「え!?」

ガタッと音を立てて立つとまだ残っていた
クラスメイトの視線が集まる
でも、そんなことは気にならない
なかなか会えないからわざと携帯を
忘れて届けに来てもらうように仕向けたのに…

教室を飛び出し切原を追いかける

「あ、不二先輩、さっき切原が…」
「ごめん、桃。手塚に部活は出れない
って伝えて!」
「は、はい…」

タッタッタッタッ…

「はぁ、はぁ…あれ?いない」

もう…帰ったかな…あ!

諦めかけた僕の目に大好きな君が映る

「切原!」
「ん?……不二さん!?」

振り返った切原はびっくりして呆然としている

「なんで帰るの?」

「…」

でもすぐに不機嫌な顔に変わり僕を睨む

「切…「なんスか?恋人はまだ学校っスよ?」
「え?」

意味の分からない言葉に口をポカンとあける

「菊丸さんっスよ」

「英二?」

「じゃ」
「え、ちょ!赤也!」

思わず名前で呼ぶとびっくりした顔をして
すぐ怒った顔に戻る

「あんたにとって俺はなん番目?」

そんな…そんな悲しそうな顔するなよ
赤也…

「僕は君だけだよ、赤也」

なん番目なんてない
僕には君だけだ
君以外はいらない
だから、泣かないで、赤也

抱き締めた赤也の肩が震えている

「僕は…君のものだよ」
「…浮気したら許さないっスよ」
「するわけないだろ?」

僕は浮気はしない
君こそ、しないでよ?
まあしても僕は離れないけどね

End
→あとがき
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