これが、初恋
story‐1
CHIKA-
2010年4月21日 光夢高等学校 入学から2週間--・・・
今日もまた、私は沢山の友達とお喋りtime。
私の友達はみんな、絶対と言っていいくらい恋の話しをする。
残念ながら、今好きな人がいないのは“谷原 智花”、そう私1人だけ。
恋をしたいとは思っているけど--・・・
「智花~、おはよう!!」
「あゆっ、おはよう!!」
「ね、ね!今日も会ったよ~」
「あ、3組みの安堂君?」
「そうだよ!!今日も一段とかっこよかった~」
「よかったね~、私まで嬉しくなっちゃった」
“えへへ”、と言いながら、あゆは自分の席へとスキップで戻った。
朝からいつもテンションの高い“小林 あゆ”は、私が一番信頼してる友達。
放課後も2人で私の家へ行って、ずっと語り合っちゃうくらい仲良し。
そんなあゆには好きな人がいる。
1年3組の“安堂 敬”君。
安堂君はあゆ曰く、とてもかっこよく、頭もよく、運動神経もズバ抜けているらしい。
私は話したこともないから、何もできないけど、あゆには頑張ってほしい。
「智花、これありがとうね」
この前貸した小説をあゆが渡してきた。
「うん、どういたしまして」
「そういえばね、今日の休み時間、安堂君に会えるかもっ」
「え、そうなの?」
目を輝かせるあゆ。
「うん、関口にお願いしたの」
「そうだったんだ・・・って、関口って?」
入学してからまだ2週間、まだクラスにもあまり慣れていない。
「あーっとね、あ!あれ!!あれあれ!」
そう言うあゆの指差す方へ目を向ける。
「え、あれが関口って人?」
「そうだよ」
「・・・普通じゃん」
「あはは、智花のことだから、絶対言うと思った~」
「え~?だって、ふ・・・」
「ん?」
「あ、何もないよ」
“そっか”と言って廊下を歩く生徒を目で追うあゆ。
“普通じゃん”って言いたかったけど、やめた。
廊下にいる“関口”君と目が合ってドキッとしたなんてあゆには言えない。
・・・--1時間目終了。