spiral
「!」いきなり横から飛んできたバスケットボール
俺は咄嗟に受け止めた
「…って、何だよ風か。」
俺にボールを投げてきたのは
体操着に身を包んだ風だった
びびった…誰かと思ったぜ
「お前なぁ、当たったら危ないだろ?」
「お前なら受け止められると思ってたさ。」
爽やかに笑う風
クソ…爽やか過ぎて少し悔しい
「とにかく、俺早く教室行かねーといけねぇんだよ。」
「もう4限始まってんだ。それよりさ、相手しろよ。」
いやいや、相手しろよ!じゃねぇよ
つうか、相手出来ねぇよ
「…聞いてたか、風?俺、授業があるんだ。」
「知ってる。どうせ寝るんだろ?なら俺の相手した方が楽しいじゃねぇか。
こいつらじゃつまんねーんだよ。」
風が指差した後ろの方には
ヘロヘロに倒れている数人の生徒
おそらく、風の相手をしてやられた奴等だ