spiral
風が吹く
瞬間、少年は振り返った
「春?どうしたの?」
隣にいた少女は首を傾げた
「なんか…誰かに呼ばれた気がしたんだ。」
「は?後ろには誰もいないじゃない。それより、今日は華おばさんの誕生日でしょ?早く帰らないと母さんに叱られちゃうわ!!」
確かに、美憂さんを怒らせたら面倒だ
「…そうだな。」
少年も頷いて
もう一度歩き出す
少し歩いてから
もう一度後ろを振り返った
「…気のせいだよな?」
「春、早く!!」少女に呼ばれて
少年は一気に駆け出していく
そんな二人を青空は見守っていたーー