spiral

「大地と風?」


どうなのと言われても
昔と何も変わらない



私は首を傾げた


「相変わらず鈍いな。だから、どっちが好きなの?って聞いてるの!」



「…どっちも好きだけど?」


今さら何を言い出すんだろう千里は…



「そうじゃなくて、恋愛対象としてだよ!!」



千里は声を張り上げた
瞬間、私の頭は真っ白になる


…恋愛、対象?


大地と風が?



「…ナイナイ。私達はそんなんじゃないもん。」



アハハ、と私は笑って言った
「えー。」と千里は口を尖らせる


「それに、異種族間の恋愛は禁止…でしょ?」



自分に言い聞かせるように私は言った



私達が地上で共存する中で、昔からある掟


それが…異種族間の恋愛は禁止だということ




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