spiral
担任の目付きが変わった
「お前のような魔族には、今後魔界を背負う大事な使命がある。
その為に、いつまでも地上にいる訳にはいかないじゃないか。」
俺のような魔族
魔族は、魔物の中でも高貴の位置に存在し
後に魔界を背負う神も選出される種族
「現に親御さんや他の奴等も、お前に帰るよう言っている。」
「…んなの、知らねぇよ。」
確かに、俺はいつまでも地上にはいられない
いつか魔界に帰って、魔物達をまとめなければならない
「生徒会の副会長もしているから、確かにお前なら良い大学を狙えるだろうな。
だが、いつまでも遊んでいる場合じゃないだろう? 」
ーー離れても、いつか会えますようにーー
桜貝のお守りを手にしてそう願っていた亜未の姿を思い出す
一番不安だったのは俺なんだ
俺が最初に…アイツ等の側から消えていく
「…とにかく、どんな大学でも良い。俺の意思は変わらない。」
「失礼します。」話しても無駄だと思って
俺は立ち上がった
ドアの下に向かって歩く
「そんなにアイツ等が気になるのか?」