spiral








「なぁ、風。」



「ん?」と風は前を見ながら反応した



「さっきからさ、変だけど…進路で何か言われたのか?」


ピタ、と風の足が止まる


さっきから風が変だ
どこか上の空って言うか…亜未の事以外に、何か考えてる気がする


「…別に、何も言われてねぇよ。」


風は笑顔を浮かべた

どこか嘘臭い、そんな笑顔



「…風はさ、卒業したらどうすんの?」



俺達はずっと一緒に居たけど



風の進路の事は…何も知らない



「どうするって、進学するよ。まだまだ学びたい事あるしな。」



「…進学、か。」



そう聞いて少し安心した



けど、すぐに不安が襲ってくる



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