spiral
「大地こそどうしたんだよ?そんな思い詰めた顔して。」
ハハッと風は明るく笑った
でも、俺はそんな気分になれなくて
「…風は進学って言ってるけど、本当にそれでいいのか?」
「は?」風は首を傾げた
でもすぐに、表情は驚きに変わる
「何か聞いたのか?」
風のその言葉に
俺は少し俯いた
「同じクラスの奴等に、風は次期魔界の王候補だって聞いたんだ。魔界の王になれば…神にだってなれる可能性がある。
だから、ずっと地上には居られないって…。」
卒業したら、魔界に帰る
そう言っていた
「だから俺、風は卒業したら魔界に帰るんだと思ってた。その方が風の為になるし、俺達の事は「大地。」
「えっ?」俺は少し戸惑った
俺を見る風は、どこか真剣な顔をしていたから…
「大地は、いつか…俺達の事を忘れるのか?」