spiral
窓際に腰掛けた、一人の少女
一際目立つ、碧色の瞳
「はよ、亜未。」
俺は窓際の席に鞄を置いて
箙亜未の隣に腰掛けた
「ここから見てたよ。今日もギリギリだったね。」
「見てたのかよ…。」
溜め息を吐いている俺に、亜未はアハハッと笑った
箙亜未
俺と風の昔からの幼馴染み
そして…魔法が使える天使
絵本とかに出てくるみたいな白い羽じゃなくて、光みたいな透明の羽
普段はしまっているらしく、独特の碧色の瞳を見ないと天使かは分からない
「オーイ、着席ー。」
だるそうに入ってきた担任
それを見て、生徒達は皆座っていく
俺と亜未も自分の席に着いた
「じゃあ、とりあえず適当に今日の流れを…ーー」
担任の話なんて聞かず
俺は窓から空を見る