spiral


何だよ朝っぱらから



俺は少しため息を吐いて人だかりの後ろを歩く
酔っぱらいだろう、と呆れていた

少し開いた人と人の間
その中に、見覚えのある鞄を目にするまでは


「…ウチの高校?」


少し血がついて落ちているのは
間違える筈ない、俺の通う高校の指定鞄だった



「…,ーー!」


野次馬の中から聞こえる、忘れる筈のない声
俺はその声を聞いた瞬間
人混みの中に割り込んだ



「すいません、通して下さい!!」



無理矢理割り込んで
やっと中心部に辿り着いた


そこで見た、嫌な光景




「亜未っ!?」






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