spiral
ペタリ、と座り込んでいる弱々しい背中
振り返った亜未の顔は、涙でいっぱいだった
「だ、いち…?」
「亜未、どうしたんだ!?一体…ーーっ!!」
分かってしまった
この人だかりの原因は、亜未じゃない
亜未のすぐ側で、倒れている人
亜未と同じ制服を身に包んだ、血まみれの女の子
「羽田…!?」
そう、彼女は
クラスメートであり、亜未の親友…羽田千里だった
「羽田!オイ羽田っっ!!」
すぐに駆け寄ったが、羽田の傷が酷い
このままじゃ…!!
「救急車は呼びました。あともう少しの筈です。」
側にいた一般人の男の人がそう告げた
「大地…千里が…千里がっ!」
「落ち着け亜未!大丈夫だから!!」
俺は取り乱している亜未を抱き締めた
「一体何が起こってんだよ…?」
俺は腕の力を強めた