spiral
「大地、亜未!!」
集中治療室の目の前
椅子に座って俯いている俺たちやクラスメートに届いた声
「風…。」
息を切らした風が走ってきた
俺は思わず立ち上がる
「状況は?」
「…まだ治療中だ。」
「そうか。」と風の顔が曇った
視線は、手術室に向かう
「真田。」
堂々と、威圧感を漂わせながら
向かってきた、黒髪の少年
「会長…。」
彼は、生徒会会長ーー岸部隆一
「どうだ?」
「…まだみたいです。」
風の言葉に会長は顔をしかめた
…連絡を受けて、生徒会が動き出してくれたのか
「…私のせいだ。」