spiral
「亜未…。」大地の不安そうな声が聞こえる
俺は一歩二人に近付いた
「亜未、大地…辛いだろうが、少し落ちつ…ーー?」
羽田千里に近付いた瞬間
彼女から感じた、馴染みのある臭い
この臭い…魔物か?
けど、彼女は天使の筈だ
例え共存していたとしても、傷口から魔物の気配を感じるなんて有り得ない
…まさかーーー
「風?どうしたんだよ?」
大地の言葉にようやく我に帰った
「…いや、何でもない。」
少しでも安心させようと、俺は少し笑って言った
まだ確信した訳じゃない
けど、もしこれが本当なら…!!
俺はある携帯番号を頭に浮かべた